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真言見聞・第三章 真言亡国の現証を明かす

              真言見聞

          第三章 真言亡国の現証を明かす

本文(一四二㌻九行~一四二㌻一一行)
 諸法は現量に如(し)かず承久の兵乱の時・関東には其の用意もなし国主として調伏(じょうぶく)を企て四十一人の貴僧に仰せて十五壇の秘法を行(おこな)はる、其の中に守護経の法を紫宸殿(ししんでん)にして御室(おむろ)始めて行わる七日に満ぜし日・京方(かみがた)負け畢(おわ)んぬ亡国の現証に非ずや、是は僅(わずか)に今生の小事なり権教・邪法に依つて悪道に堕ちん事浅猨(あさまし)かるべし。

通解
 あらゆる事象は直接に知覚できる事実で量(はか)ることが最も確実である。承久の兵乱の時、関東(鎌倉幕府)には祈禱の用意もなかった。(それに対し京の朝廷側は)国主(後鳥羽上皇)として調伏(じょうぶく)を企て、四十一人の貴い僧に命じて真言の十五壇の秘法を行った。そのなかに守護経の法を紫宸殿(ししんでん)において、御室(おむろ)(仁和寺)の道助法親王が初めて行った。祈禱が満了する七日目に、京方(朝廷方)が負けてしまった。これは亡国の現証ではないのか。このことはわずかに今生の小事であるが、権教・邪法によって悪道に堕ちることはあさましい限りである。

語訳
諸法は現量に如(し)かず
 あらゆる事象は実際の事実で量(はか)ることが一番確かである、との意。現量は現実の出来事によって量ること。現量は事象を認識する根拠である三量(現量・比量・聖教量)のひとつで、推理・比較するのではなく、事実を直接知覚、感覚知すること。
〈追記〉
 量は因明(いんみょう)(古代インドの学問分類法である五明の一つで論理学のこと)で用いられる術語。三量があり、現量は感覚知(直覚的認識)、比量は推理知(推理的認識)、聖教量は聖者・聖典の言葉をいうが、陳那(じんな)が聖教量は比量の一つであるとして二量説を立てた。陳那は梵名ディグナーガの音写で、五〜六世紀ころのインドの仏教論理学者。

承久の兵乱
 承久三年(一二二一年)五、六月に起きた朝廷と幕府の争い。後鳥羽上皇は政治の実権を拡大・掌握しようと図り鎌倉幕府を圧迫したが、幕府に制圧され、朝廷側はかえって勢力を弱め、幕府の支配力が強まった。乱の首謀者である後鳥羽上皇、その第三皇子の順徳上皇は、それぞれ隠岐国(島根県隠岐諸島)、佐渡国(新潟県佐渡島)への流刑に処された。乱に関与せず追及されなかった土御門上皇(後鳥羽の第一皇子)も、自ら土佐国(高知県)に移り、後に阿波国(徳島県)に移り、同地で没した。日蓮大聖人は諸御抄で、後鳥羽上皇ら朝廷方がこの際に行った真言による祈禱のせいで「還著於本人(げんじゃくおほんにん)」の結果となったと指摘されている(三二一㌻、三六三㌻など)。

調伏(じょうぶく)
 祈祷(きとう)によって悪魔・怨敵(おんてき)を降伏(ごうぶく)させること。

守護経の法
 守護経法といい、守護国界主陀羅尼経(しゅごこっかいしゅだらにきょう)によって修する密教の大法のこと。仁王経法、孔雀経法とともに三箇大法(さんかだいほう)といい、本尊は金剛界三十七尊の曼荼羅とされている。弘法が初めてこの修法を行ったとされ、承久の乱の時には、朝廷が仁和寺の御室僧正に命じて祈祷させたが、戦いは朝廷方の完敗に終わった。

御室(おむろ)
 京都市右京区御室大内にある仁和寺(にんなじ)の別称。第五十九代宇多天皇(在位八八七年~八九七年)が、真言宗の益信(やくしん)を戒師として出家し、仁和寺に居を構えたことから、御室御所と呼ばれた。門跡(もんぜき)(皇族・貴族の子弟が法統を伝える寺院)の初めとされる。この場合の御室は、承久の乱の祈祷を行った後鳥羽天皇の第二子である道助法親王をさす。

講義
 これまでは真言宗が亡国の邪法であることを文証、理証の立場から示されたのであるが、ここでは現証を示されるのである。
 まず「諸法は現量に如(し)かず」、一切の事象は〝現量〟、事実をもって量ることにこしたことはないと述べられる。
 そして、その顕著な事実として、承久の乱の時、京都の朝廷方が真言宗によって鎌倉幕府方を調伏する祈禱を行った結果、敗れてしまったことを挙げられ、真言亡国の現証とされている。そして、戦争の勝敗といった今世の僅かな小事ですら、祈禱して敗れて亡国を招いたのであるから、そのような真言宗の権教・邪法を信じて後生に悪道、なかんずく無間地獄に堕ちることはもっと嘆かわしいかぎりであると結ばれている。

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