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真言諸宗違目・第三章 涅槃経の文を挙げ謗法呵責の正しきを証す

             真言諸宗違目

    第三章 涅槃経の文を挙げ謗法呵責の正しきを証す

本文(一三九㌻一三行~一四〇㌻七行)
 涅槃経に云く「若(も)し善比丘法を壊(やぶ)る者を見て置いて呵嘖(かしゃく)し駈遣(くけん)し挙処(こしょ)せずんば当(まさ)に知るべし是の人は仏法の中の怨(あだ)なり」等云云、灌頂章安(かんじょうしょうあん)大師云く「仏法を壊乱(えらん)するは仏法の中の怨なり慈(じ)無くして詐(いつわ)り親しむは即ち是れ彼が怨なり彼が為に悪を除くは即ち是れ彼が親なり」等云云。
 法然が捨閉閣抛(しゃへいかくほう)・禅家等が教外別伝・若し仏意に叶わずんば日蓮は日本国の人の為には賢父なり聖親なり導師なり、之を言わざれば一切衆生の為に「無慈詐親即是彼怨(むじさしんそくぜひおん)」の重禍脱(のが)れ難し。日蓮既に日本国の王臣等の為には「為彼除悪即是彼親(いひじょあくそくぜひしん)」に当れり此の国既に三逆罪を犯す天豈(あに)之を罰せざらんや。
 涅槃経に云く「爾(そ)の時に世尊・地の少しの土を取つて之を抓(つめ)の上に置いて迦葉に告げて言(のたま)わく是の土多きや十方世界の地土多きや、迦葉菩薩仏に白(もう)して言(もう)さく世尊抓の上の土は十方所有の土の比ならざるなり○四重禁を犯し五逆罪を作つて○一闡提(いっせんだい)と作(な)つて諸の善根を断じ是の経を信ぜざるものは十方界所有の地土の如し○五逆罪を作らず○一闡提と作(な)らず善根を断ぜず是くの如き等の涅槃経典を信ずるは抓の上の土の如し」等云云、経文の如くんば当世日本国は十方の地土の如く日蓮は抓の上の土の如し。

通解
 涅槃居には「もし善(よ)い僧がいて、仏法を破壊する者を見ていながら、それを放置し、そのあやまりをしかり責めず、その者の所を追い払わず、その罪過をはっきりと挙げて糾明しなければ、まさにこの人は仏法の中のかたきである」等と説かれている。灌頂章安大師は、涅槃経疏にこれを解釈して「仏法を壊(やぶ)り乱すことは仏法の中のかたきとなる行為である。それを糾(ただ)す慈悲心もなくて、詐(いつわ)り親しむのは、すなわちその者にとってかたきとなる行為である。……仏法を壊り乱す者のためにその悪を除くことはその者のためになる慈愛の行為である」等と述べている。
 浄土三部経以外の一切経を、捨てよ、閉じよ、閣(さしお)け、抛(なげう)て、との法然の教義や、仏の悟りは経典や教理以外に別に伝えられた(教外別伝)」などという禅宗等の教義がもし仏の本意にかなっていないのであれば、(浄土宗や禅宗等の諸宗の邪義と戦っている)日蓮は日本国の衆生のためには賢明な父であり、尊い親であり、導師である。
 もしもこのこと(浄土宗や禅宗等の諸宗が仏の本意に反する邪義である、ということ)を言わなければ、日蓮は、すべての衆生のために「慈無くして詐(いつわ)り親しむは即ち是れ彼が怨なり」との重罪からのがれることはできない。
 しかし、日蓮は、(諸宗の邪義を破折し、邪義と戦い、それゆえに難を受けているのであるから)既に日本国の権力者や臣下たち、更に民衆のためには「彼が為に悪を除くは即ち是れ彼が親なり」との文に当たっているのである。
 ところが、この国は既に(その大聖人を迫害し、殺そうとしたのであるから)殺父(しぶ)・殺母(しも)・殺阿羅漢(しあらかん)という三逆罪を犯している。諸天善神がこれを罰しないことがあろうか、いや、必ず罰するであろう。
 涅槃経には「その時に釈尊が、地面の少しの土を取ってこれを爪の上に置いて、迦葉菩薩に告げて言われた。『この土のほうが多いであろうか、それとも宇宙全体の地の土のほうが多いであろうか』と。迦葉菩薩が仏に申し上げて言った。『釈尊、爪の上の土は、全宇宙にある土と比較することすらできないほどの少ないものです』と」「(釈尊は)『四重禁を犯し、五逆罪を作って、……一闡堤となってもろもろの善根を断じ、この涅槃経を信じない者は全宇宙にある土のように多い』(と言い)」「『五逆罪を作らず、……一闡堤とならず、善根を断ぜず、このような涅槃経典を信ずる者は爪の上の土のように少ない』(と言われた)」等と説かれている。
 経文のとおりであるならば、今の世の日本国の人々は全宇宙の地の土のようなものであり、それに対して、日蓮は爪の上の土のようなものである。

語訳
涅槃経
 釈尊の入涅槃の様子とその時に説かれた教えを記した経。大・小乗で数種ある。①大乗では、㋑中国・東晋代の法顕訳「大般泥洹経(だいはつないおんぎょう)」六巻、四一八年成立。㋺北涼代の曇無讖(どんむしん)訳「大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)」(北本)四十巻、四二一年成立。㋩劉宋代の慧観(えかん)・慧厳(えごん)・謝霊運(しゃれいうん)訳「大般涅槃経」(南本)三十六巻、四三六年成立。㋑を参照して㋺の前半を改めたもの。㋥唐代の若那跋陀羅(にゃくなばつだら)訳「大般涅槃経後分」二巻、仏の荼毘(だび)・舎利の分配までの事績を記す。②小乗では、同じく法顕訳「大般涅槃経」三巻、姚秦(後秦)代の鳩摩羅什訳「仏遺教経(ぶつゆいきょうぎょう)」等がある。内容について、大乗の涅槃経では仏身の常住、涅槃の四徳である常楽我浄を説き、一切衆生悉有仏性を明かして、善根を断じた一闡提(いっせんだい)も成仏すると説いている。また小乗の涅槃経は教理を説いたものではなく、釈尊の入涅槃から舎利の分配までの事跡を記している。

潅頂章安(かんじょうしょうあん)大師
(五六一年~六三二年)。天台大師の弟子で、師の論釈をことごとく聴取し結集した。諱(いみな)は灌頂。浙江省臨海県章安の人。陳の文帝の天嘉二年に生まれ、七歳で摂静寺にはいり、二十五歳で天台大師に謁(えつ)して観法を稟(う)け、常随給仕し、所説の法門をことごとく領解(りょうげ)した。その聴受の結集は、天台三大部(文句・玄義・止観)をはじめ、大小部合わせて百余巻ある。師が亡くなってから「涅槃玄義」二巻、「涅槃経疏(しょ)」三十三巻を著わす。名声天下に響き、三論の嘉祥(かじょう)は章安の「義記」を借覧(しゃくらん)して天台に帰伏したという。唐の貞観六年八月七日、天台山国清寺で年七十二にして寂した。弟子智威(ちい)に法灯を伝えた。

捨閉閣抛(しゃへいかくほう)
 法然の選択集(せんちゃくしゅう)に、「雑(ぞう)を捨て……定散(じょうさん)の門を閉じ……聖道門を閣(さしお)き……諸雑行を抛(なげう)ち」とあり、これらの四文字をあわせて捨閉閣抛という。浄土宗の依経である観経等の浄土三部経以外の一切経を否定した言葉である。自宗を浄土門・易行道・正行と立て、他宗を聖道門・難行道・雑行と呼び、「捨てよ、閉じよ、閣(さしお)け、抛(なげう)て」と説いたもの。

日蓮は日本国の人の為には賢父なり聖親なり導師なり
 賢父とは賢明な父、聖親は尊く敬われるべき親、導師は正しく導く師の意。これらは主師親三徳のうち師親の二徳までであるが、主徳を挙げられていないのは、現実に謗法を禁ずる力をこの世において持っておられないゆえとも、師親の二徳のうちに、おのずから含まれるゆえとも考えられる。

三逆罪
 五逆罪のうちの三つ。仏教上、提婆達多の犯した三逆罪をいう。一つに、大衆に囲繞(いにょう)されることを仏と等しいと考え、釈尊をねたむのあまり和合僧団を破り、五百人の釈尊の弟子をたぶらかした(破和合僧)。二つには、釈尊を殺さんとして耆闍崛山(ぎしゃくつせん)(一説には象頭山(ぞうずせん))の上から大石を投じたが、地神が受けとめたため、その砕石がとびちって釈尊の足にあたり、小指より血を出した(出仏身血(すいぶっしんけつ))。三つには、阿羅漢果をえた蓮華色比丘尼が提婆を呵責(かしゃく)したので、拳(こぶし)をもって尼を打ち即死させた(殺阿羅漢(しあらかん))。この仏を恐れない悪業のため、提婆は大地が裂けて生きながら地獄に堕ちたという。本抄で、日本の人々が犯したといわれる三逆罪とは、「日蓮は日本国の人の為には賢父なり聖親なり導師なり」との御文から考えて、大聖人の頸(くび)を斬ろうとしたことが、「殺父、殺母、殺阿羅漢」に当たるとされたのではないかと考えられる。

迦葉菩薩
 涅槃経のなかの迦葉菩薩品の対告衆で、迦葉童子、迦葉童子菩薩ともいう。釈迦十大弟子の摩訶迦葉とは別人。涅槃経で仏に三十六の問いを発しているが、前四十余年の会座にも連ならず、法華の会座にも漏れた捃拾(くんじゅう)の機の人である。

四重禁
 四重禁戒のこと。殺生・偸盗(ちゅうとう)・邪婬・妄語の四種の重罪を禁じた戒をいう。四波羅夷(しはらい)戒ともいう。波羅夷は梵語パーラージカ(pārājika)の音写で、極悪・重禁・断頭などと訳される。比丘に対して定められた最も厳重な禁制で、これを犯すものは教団を追放され再び比丘にはなれない、とされている。なお、比丘尼にはさらに触・八事・覆・随の四つを加えた八波羅夷がある。

五逆罪
 理に逆らうことの甚だしい五種類の重罪。無間地獄に堕ちる悪業のゆえに無間業ともいう。五逆罪には、三乗通相の五逆(五逆の本罪)、大乗別途(べつず)の五逆、同類の五逆(相似の五逆)、提婆の五逆などがある。代表的なものは倶舎論巻十七に説かれる三乗通相の五逆で、一に父を殺し、二に母を殺し、三に阿羅漢を殺し、四に仏身より血を出し、五に和合僧を破る、をいう。

一闡提(いっせんだい)
 梵語イッチャンティカ(icchantika)の音写で、一闡底迦とも書き、断善根・信不具足と訳す。正法を信ずる心がなく、成仏の機縁をもたない衆生のこと。

講義
 涅槃経の二文を挙げて、日蓮大聖人が諸宗の謗法を呵責していることの正しさを証されている。
 初めに、涅槃経の「良い僧であっても、仏法を破壊する者を見ながら放置して、その罪を呵責せず、所も追わず、糾明し処断しないならば、この人は仏法の中の怨敵である」(取意)との文を引かれている。仏法を破壊する者を放置して破折しない者は、仏法の敵であることを明かしている文である。
 更に章安大師灌頂(かんじょう)が、涅槃経疏の中でこの文を「仏法を破壊し乱すことは仏法の中の怨敵となる行為である。それを見ながら、その罪を責めずに、慈悲なく偽(いつわ)り親しむのは、その者の為には怨敵である。その誤りを責めて、悪心を除くことこそ、その者のためになる慈悲の行為である」(取意)と解釈している文を引かれている。
 そして、もしも法然が浄土三部経以外の経典を「捨てよ、閉じよ、閣(さしお)け、抛(なげう)て」と選択集(せんちゃくしゅう)で述べたことや、禅宗が「教外別伝」と立てて経典を否定することが仏意に叶わないのなら、これを責める日蓮こそ、日本国の人々にとっては賢い父であり、尊い親であり、導師なのであるとされている。逆に、仏意に背く諸宗の謗法を知りながら責めなければ、一切衆生のために「慈(じ)無くして詐(いつわ)り親しむは即ち是れ彼が怨なり」との戒めに背く重い科(とが)を免れることはできない、と述べられている。
 そして、大聖人が立宗以来、諸宗の謗法を破折しつづけてこられたことは、日本国の上下万人のためには「彼が為に悪を除くは即ち是れ彼が親なり」の文に当たる行為であるとされ、その諌めを用いずにかえって大聖人を迫害したことは、一国が五逆罪のうちの三逆罪を犯したもので、諸天がこれを罰しないわけがないとされている。
 日蓮大聖人が諸宗の正法誹謗を厳しく呵責した行為こそ、日本国の人々を救わんとする大慈悲によるものであり、末法の一切衆生のためには主・師・親の三徳を具えた御本仏であることのあらわれなのである。ところが、為政者をはじめ当時の民衆は、かえって大聖人に怨嫉して、身命に及ぶ迫害を加え、佐渡へ流罪しており、これは三逆罪にあたる。そのため、諸天によって治罰されることは必定であろうと指摘されているのである。
 この場合、具体的に何をもって三逆罪とされているかについては、たとえば小松原法難で大聖人を傷つけたことが「出仏身血」、大聖人一門を壊滅させようとしたことが「破和合僧」、大聖人門下の鏡忍房(きょうにんぼう)が殺されたことが「殺阿羅漢」に当たるという解釈もできないことはないが、前文とのつながりでいえば、大聖人が日本国の衆生の父母であり、仏法を正しく行じる阿羅漢(聖僧)であるというお立場から、大聖人を斬首しようとしたことが「殺父・殺母・殺阿羅漢」に当たると考えることが妥当であろう。
 なお種種御振舞御書に、大聖人が文永八年(一二七一年)九月の竜の口法難の際、平左衛門尉に対して「上件(かみくだん)の事どもは此の国ををもひて申す事なれば世を安穏にたもたんと・をぼさば彼の法師ばらを召し合せて・きこしめせ、さなくして彼等にかわりて理不尽に失(とが)に行わるるほどならば国に後悔あるべし、日蓮・御勘気をかほらば仏の御使を用いぬになるべし、梵天・帝釈・日月・四天の御とが(咎)めありて遠流・死罪の後・百日・一年・三年・七年が内に自界叛逆難とて此の御一門どしうち(同士打)はじまるべし、其の後は他国侵逼難とて四方より・ことには西方よりせめられさせ給うべし、其の時後悔あるべし」(九一一㌻)と警告されたことが明かされている。
 本抄を執筆されたのは、文永九年(一二七二年)二月に執権・北条時宗の異母兄・時輔(ときすけ)の反逆という形で自界叛逆難が起きてから三か月の後であり、残る他国侵逼難が諸天の治罰として起こることは間違いなかったので「天豈(あに)之を罰せざらんや」と述べられているのであろう。
 次に、涅槃経の、五逆罪を犯し一闡堤(いっせんだい)となって正法を信じない者は十方の大地のごとく多いのに対し、正法を信ずる者は爪の上の土のごとく少ないとの経文を引かれて、この経文のとおりに当世の日本国の人々は十方の土のごとくであり、その数は多いが正法を信じない謗法・一闡堤の者たちであり、大聖人は爪の上の土のごとくで、ただ一人正法を信じ弘めていることを明かされている。
 なお守護国家論にも、涅槃経のこの文を引いて「此の文の如くんば法華涅槃を信ぜずして一闡提と作(な)るは十方の土の如く法華涅槃を信ずるは爪上(そうじょう)の土の如し・此の経文を見て弥(いよいよ)感涙押え難し(中略)末代に於て法華経を信ずる者は爪上の土の如く法華経を信ぜずして権教に堕落する者は十方の微塵(みじん)の如し」(六四㌻)と述べられている。

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